【ネタバレ感想】劇場版プロジェクトセカイ・壊れたセカイと歌えないミク【プロセカ映画】

2025/02/28初稿

こんにちは、たかのアキです。「劇場版プロジェクトセカイ・壊れたセカイと歌えないミク」の感想記事です。
ネタバレを多分に含みます。ご承知の上、お読み下さい。

プロセカ映画入場特典
公開初日に見行ってハローセカイを引き当ててうおおおお!って、してました。

●「クリエイターが想いを託す”初音ミク”」だったのが、映画では「”初音ミク”の想いを伝えるクリエイター達」と逆転したお話だったということに感激

最初に見て一番印象に残った部分です。プロセカのバーチャルシンガーの説明には「世界中のクリエイターが歌と想いを託すシンガーたち」と書かれています。

映画では「初音ミクの想いを届けるお手伝いをクリエイター側が行う」という逆転を描いてたのが、私は素敵だなと思いました。

各チームが作った曲に、ハローセカイの「♪きっと届くはず♪」のメロディが入っており、そこが流れるとグッときます。

●届ける手段は多い方が良い

プロセカのオリキャラ達は、「あの初音ミク(以下窓ミク)はただ歌を聞いてほしいだけじゃない」「どういう人にどういう気持ちになって欲しいのか」「そのためにはどうしたら良いのか」を、きちんと考えた上で、最大限のアプローチをしようと試みます。大変素晴らしいと思いました。

「顔も知らない、どこにいるのかもわからない人を励ます」という曖昧な目的にどう対応するのか疑問でしたが、各チームそれぞれの「可能な限り大勢の人に見てもらえれば、その人に届くかもしれない」という方向性を打ち出したこと、そのためにはどうしたら良いかというのを、丁寧に描いていて素晴らしかったです。絵描きのはしくれとして、大変勉強になりました。

良いものを作ればそれでいいわけじゃない。届けなきゃいけない。大勢の人に周知するために「適切な日時を考える」「野外で行う」「配信をする」「事前告知をする」など。「いま自分がやれる精一杯を届ける」×5チームという、素敵な爆発を見せてもらいました。

私は「応援は、受ける側も『受け入れる気持ち』がないと、ノイズにしかならない」というのを、丁寧に描いた作品だと思いました。

ニーゴのカウントダウンを見つけて楽しみに待ってた人

一歌からチラシを受け取って自らライブを見に行った女の子

チャットを常にやりとりするような知り合いがお勧めしてくれたから見たモモジャン配信

わざわざフェスに足を運んだ帽子の彼

本人が「自分の意志で聴こう」と思ったから、その人に合った曲だったから届いた曲です。

眼鏡の女の子は、ワンダショのファンである可能性があると思ってます。一度、妹からの差し入れを跳ね除けてるので。

「聴こう」という気持ちにさせられたのも、前述の通り周知に力を入れた結果、まわりまわってちゃんと届いて欲しい人に届いた。なんて素敵な連鎖だろうと。現時点で3回観ましたが、何度見てもライブシーンの連鎖は胸が熱くなります。

「風邪で弱ってるの?栄養取らなきゃ!はいステーキだよ!!」じゃ、ダメです。まずはお粥です。心の弱り方も、励まされる曲も、人それぞれ違います。例えばレオニの曲で励まされた子は、一歌にチラシを手渡し貰い、自身もギターをやってたからレオニのライブを聴きに行こうと赴き、そのうえで心に響いたのであって、ニーゴの曲を聴いても流していたと思います。逆もしかり。

ある程度立ち直れたからこそ、窓ミクちゃんのハローセカイもやっと聞き入れる気持ちになれたのだと思います。

作品の都合上、全員同時に立ち直れましたが、実際は「今はそんな曲を聴く気分にはなれない」ということもあります。

えむちゃんが言ってた「落ち込んでることを知ってる人が居てくれるだけで救われる」、立ち直るまで待っててくれる存在は、ありがたいんです。

応援を受けられる状態になるまで待ってあげるのも、とっても大事なことです。

私も助けてもらいましたから。

●初音ミクが当たり前にいる世界

作中では窓ミクがあちこちに現れても「ミクちゃんだね、なんかのコラボかな」とミクが当たり前の世界が描かれています。私はそれが突拍子もない演出だとは感じませんでした。「あるよね、こういうの」と思えたことが嬉しかったです。現実の世界でも、自販機に初音ミクが描かれたり、公共物に描かれていても受け入れてもらえてる世の中になってきていると感じてます。初音ミクという存在が、世の中に定着した証だと思い、感慨深くなりました。

冒頭のタワレコ(CDショップ)で、見知ったイラストがずら~~~っと並んだのを見た時も、「うわすげえ!」ってなりました。10年以上前、初めてプロジェクトDIVAを遊んだ時「企業用の曲じゃなくて、ニコ動で話題の曲ばっかり入ってる!すごい!」と驚いた感動に近かったかも。初音ミクはユーザーがあってこそって面を大事にしてくれてる場面だなと感じました。

●各セカイのバーチャルシンガーたち

最初はどのセカイもミク+1~2人ぐらいしか登場しないので、バチャシンたちについては登場控えめなのかなと思っていたら、濁流にのまれるところで一気に全員登場してテンションがあがりました。ここで各セカイの対応が違うことで、個性を現してるのも面白かったです。特にワンダショのMEIKOのジャイアントスイングを見た後、ニーゴMEIKOが静かに濁流を受け入れるシーンは、すごい緩急だなと思いました。かっこよ。窓ミクちゃんについて説明していたのもニーゴMEIKOでしたし、カッコいいシーンまであって、ニゴメイさんは、かなり美味しい役どころだったなと思いました。

ワンダショバチャシンの逃げるシーンは「アクションやるならここだ!!」感がすごかったなと思いました。

●周年ソングが練り込まれてるのが嬉しかった

セカイ→ハローセカイの一部メロディと歌詞

journey→黒い濁流で初音ミクの消失の後、一歌がスマホで流した文字化けの曲。ハローセカイのメロディ

群青讃歌→全員歌唱で挿入歌(めちゃくちゃびっくりした)

NEO→消失の後、一歌が真っ先に再生した動画

時期的に、熱風は間に合わなかったのかなと思っています。ワーワーワールドはどうだったんでしょうか…。

●その他
・ネネロボちゃんの存在感
窓のセカイに呼ばれたり、解析能力が優れすぎていたり、ぬいぐるみたちとディズニープリンセスしていたり、高機能マスコットでしたね。

・一歌ちゃんの路上ライブ
突然の「glow」に口元を覆って仰天。3DS用ゲーム「プロジェクトミライ」でよく遊んだ曲でした。応援上映でこの路上ライブに拍手ができたのが一番うれしかった。

応援上映は2025年2月22日、池袋TOHOシネマズ19:15回に行きました。

●勧めたいのに勧めにくい

正直、全人類に見てほしい映画だと思っています。ですが、「その気がない人に無理やりみせても意味がないどころか嫌われる」のは、この映画の内容ですから

ちょっとでも、気になったなら、見てほしいなと思い、この漫画を描きました。

みなさんの周りでも、少しでも興味を持ってる人がいたら、背中を押してあげてください

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。